OLFC倶楽部 (いにしえのカメラ・レンズたち)

オールド・レンズ(OL)と フイルム・カメラ(FC)を愉しむ

SONY α7のボディキャップを加工して針穴レンズを作成、試写。
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ドリルで穴をあけたキャップに、熱したマチバリで小穴をあけた黒いビニールテープを貼ったもの。

さて、近所の大覚寺で試写です。
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まあ、どこにもピントが合ってない写真ですね。

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暖かくなり、梅が咲いています。

逆光だと凄いゴーストが出ると聞いているので、逆光で撮影。
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成程、これは凄い。穴が真円じゃないからか? 何とも言えない紋様が。

もう一枚逆光で。
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豪勢なゴーストです。

このブログのための本と言っていい程ぴったりの二冊が刊行されました。

『OLD LENS LIFE 2018-2019』
『FILM CAMERA STYLE Vol.3』

『OLD LENS LIFE』は2011年に初めて刊行され、8冊目。
今回はちょっとネタ切れの感があり、かなりマニアックで特殊なレンズが掲載されているように思います。

『FILM CAMERA STYLE』は2016年の初刊行以来3冊目。
デジカメ全盛の時代にいかにしてフイルムを愉しみ、いかにして次世代に繋いでいくか、というような内容です。

OL(OLD LENS)FC(FILM CAMERA)ともに、現在のカメラの本流からは外れてしまいましたが、デジカメにはない趣味的要素は無尽蔵です。
今後もこのような本が刊行され続け、特にフイルムカメラはただの飾りにならないよう次世代に繋げて欲しいと思います。

遂にティルトとシフト両方のアオリ機能を搭載したマウントアダプター、KIPON T&S NIK-S/E を購入した。レンズはNikon Fマウント、ボディはSONY Eマウント。
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今までは、ティルト機能のみの FOTGA NIKON-NEX TILT を使っていたのだが、これが安物なりの精度で難儀していた。
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それと比べると月とスッポン程の差がある。この写真では分かりにくいが、FOTGAのフランジバックは数ミリ長い。∞(無限)が出ないのである。
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FOTGAは固定リングを緩めて自由な方向・角度にティルトアオリ操作できるが、上下左右方向を正確に決定することは出来ない。

KIPON T&Sは一方向だけだが正確に最大12mmのティルト操作ができる。
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これはティルト固定ツマミ。これを回せば連動してアオリが動くと思っていたのだが、単純に締め付けて固定するだけのネジである。
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シフトは二方向に最大15mmづつ動作することが出来る。
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この銀色の板がシフトロックになっており、押さえながらスライドさせる。
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いづれにせよ、アオリ操作は手で引っ張るという原始的な方法である。

アオリ操作は一方向あるいは二方向だが、レボルビング機能がありマウントアダプター自体を360°回転させることが出来る。30°ごとにクリックがあるので、正確な方向を決めることが出来る。
この写真はレボルビングロックボタン。
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このように引き上げると、ロックが解除され回転可能になる。
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35mmフルサイズのイメージサークルを持つNikon Fマウントのレンズでアオリ操作をするので、APS-Cサイズのイメージセンサーを持つSONY NEX-6で撮影。

まず、FOTGAがどう難儀したのか撮影画像を見ながら説明しよう。
レンズはAi NIKKOR 24mm f2.8S。35mmフルサイズに換算して約36mmの画角になる。
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まずアオリ無しの状態だが、何の指標もクリックもないので目視で真っ直ぐにセットして固定リングを締める。レンズを正確にカメラと平行にセットすることが出来ないのである。
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これは一見綺麗に映っているが、∞が出ないのでめいっぱい絞って(f22)パンフォーカス撮影している。

そして、絞りを開いてティルト操作でミニチュア風に撮影してみたが・・
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ピントリングを∞にしても画面手前で合焦してしまう。∞が出ない関係で画面奥には合焦しない。ミニチュア写真でよく見るように画面中央に合焦させることも出来なかった。それでも、どうにかミニチュア効果はある。

これも、めいっぱい絞ってパンフォーカス撮影。
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どうにか画面中央にピントが合わないものかとアオリをいじっていると・・・
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これは、ミニチュア効果と逆方向にティルト操作している。つまり、手前から奥まですべてにピントを合わせたいときの操作方向であるが、全面にピントが合う角度を大幅に超えて操作したら、このように画面中央に合焦した。偶然だが中央にピントが合ったミニチュア写真を撮影することが出来た。

このような難儀な代物を使うと、試行錯誤という不便ゆえの手間を愉しむことが出来る。



では、本題。KIPON T&S NIK-S/E の試写。
レンズはAi NIKKOR 20mm f3.5S。35mmフルサイズに換算して約30mmの画角になる。
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カメラを水平垂直に構えて被写体(建築)に向ける。
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当然、上部は切れてしまうので、

シフトアオリ機構を使って撮影した。
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フルサイズのイメージサークルの中央と少し上を使って撮影する事になるので、画質的に有利だ。

更に、ティルトアオリも加えてミニチュア風写真を撮影。このようにシフト・ティルトの複合アオリ操作も可能だ。
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画面中央に合焦させることが出来る。

ティルト操作無しで撮影。
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ティルト操作で被写界深度を浅くして撮影。
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20mmレンズで望遠レンズや大口径レンズのようなボケを得ることが出来る。

シフトアオリ撮影。
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画質的に有利とはいえ、古いレンズなので撮影原寸に拡大すると色収差が出ている。
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これも、シフト・ティルトの複合アオリ操作でミニチュア風写真を撮影。
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これは、左にティルトして撮影したが、塔屋が歪んでしまった。
ということは、ティルトに左右のシフトと同じ効果があるということ。

この効果を逆手にとって塔屋の歪みを修正。ドーム部分が斜めに歪んでいないのがお分かりいただけると思う。
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めいっぱい絞って(f22)パンフォーカス撮影することによってミニチュア効果を排除した。

ティルト操作のみでミニチュア風写真を撮影。
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手動でレンズを引っ張ってアオリ操作する、グリップ側にレバー類が来る角度でアオリ撮影するときはホールドが悪くなる、などの問題はあるが、精度的には大変優れたマウントアダプターである。

ミノルタ インテリジェントカード。全く興味が無かったのだが、ジャンクで入手したαシリーズカメラのスロットに入っていたのがきっかけで集め始めてしまった。

ネットでは全種類をまとめて紹介したページを発見できなかったが、とりあえず、個人的に調べて確認出来た全28種類の収集が完了した。

そこで、一覧表にまとめてみた。

イメージ 1
※この表はJPAG画像なので、拡大表示してもらえれば読めると思う。

ただし、表中の 「ME MULT・EX-2 多重露光カード2」は海外のサイトで写真を確認したのみで、どうしても入手できなかった。インテリジェントカード対応の最終製品であるα707siの説明書にも「ME MULT・EXP 多重露光カード」しか記載されておらず、海外向け、あるいは発売計画のみで未発売の製品ではないかと思うが、どうだろうか?

中古カメラ店やヤフオクでの出物にはプラケース・説明書が無いものが多く、使い方を説明するサイトも無さそうだ。
実際、28種中9種しか説明書を入手出来ていない。
中には特に設定する必要も無くスロットに差すだけで機能するカードもあるが、カスタムカードのように説明書が無ければ全く分からないものもある。

説明書の無いものも、ネット上の少ない情報を拾ったり、実際にカメラに差して試行錯誤して使い方はほぼ理解できたと思う。まだまだ説明書が無ければ気付かないような機能が隠れているかもしれないが、手元のα7xiとα8700iで実写テストしてみたいと思う。

少し時間が掛かるかもしれないが、今後、各カードの使い方と作例をUPしていければと思う。


【はじめにご一読ください】

このブログは、カメラの撮影や使い方など、私個人の方法や愉しみ方を記したものであり、メーカー推奨の使用法に合致しない場合が多々あります。
特に社外品のマウントアダプターを装着する時は、細心の注意を払って自己責任で行うようにしてください。社外品のマウントアダプターを使用することで、カメラやレンズが破損しても修理補償の対象外となります。
このブログをご覧になって行ったカメラの使用・撮影などの行為によって生じた損害や被害に関して筆者は一切の責任を負いませんのでご了承ください。

それでは、以下本文を書き進めてまいります。



前々回、Canon Lマウントレンズ(35mm f2 I・50mm f1.8 I・50mm f1.8 II・100mm f3.5 II)オールドレンズのボケ味 で紹介した100mm f3.5 IIはひどいクモリがあったので、もう一本所有する100mm f3.5 IIIで撮影した画像を追加します。

100mm f3.5 III
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II型と比べると一気に現代に近づいたデザインです。
仕様書によるとレンズ構成は4群5枚で同一なので、恐らく同じ設計だと思われます。
絞り羽根は15枚から10枚に減少していますが、絞ると少し星っぽい形になるので別の楽しみもありますね。
イルミネーションの「バブルぼけ」に挑戦に綺麗な10角形の絞り型ボケ写真を掲載していますので、あわせてご覧ください。

今回も、使用カメラはSONY α7 フルサイズ(マウントアダプター使用)です。

では、撮影画像をどうぞ。

絞り開放f3.5(2枚)
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II型の時は気づきませんでしたが、ぐるぐるボケの傾向がありますね。
この2枚は、最短撮影距離近く(約1m)で撮影しています。

絞りf8だったと思う(1枚)
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絞って遠景ならスッキリ綺麗に写ります。


ここでマウントアダプターを交換してマクロ撮影。
以前、第2回投稿 α7用マウントアダプター揃い踏み で記述したように、
M42レンズ⇒SONY EマウントアダプターにL39レンズ⇒M42アダプターリングを噛ませてLマウントレンズのマクロ撮影をしました。
M42マウントのフランジバックは45.5mm、Lマウントは28.8mm、その差が16.7mm。従って、差分の接写リングを付けたのと同じ状態になります。

絞り開放f3.5(1枚)
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開放f3.5で暗めのレンズながら中望遠100mmレンズなので、接写すれば被写界深度は大変浅くなります。綺麗なボケですね。ぐるぐるボケの傾向は感じられません。

絞りf5.6(1枚)
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深度が浅いので少し絞りましたが余り綺麗にボケません。二線ボケの傾向も有りそうです。

再び絞り開放f3.5(1枚)
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外観と同じく発色も現代的でナチュラルながら、その描写にはオールドレンズの味が激しく現れるレンズでした。


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それでは、以下本文を書き進めてまいります。



今回もマウントアダプターを介したSONY α7による35mmフルサイズ撮影です。

使用レンズは、Super-Multi-Coated TAKUMAR 50mm f1.4が2本。
アトムレンズとして知られる、明るい名玉です。

1本目はシリアルNo.613XXX
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イメージ 2
絞りピン押しタイプのマウントアダプターの場合、矢印の露出計連動爪が干渉する場合がありますので、注意が必要です。
以前、M42レンズ⇒SONY E マウントアダプターの修正作業で紹介した私のアダプターは干渉したのでヤスリで削って再修正しました。
削りすぎるとピン押しが出来なくなるので、ギリギリ干渉しない所まで削りました。

2本目はシリアルNo.566XXX
イメージ 3

イメージ 14
このレンズはカビだらけでしたがフレームが歪んでいて吸盤オープナーで開けることが出来なかった為、銘板リングにカニ目レンチ用の穴を開けました。
アトムレンズの特徴である黄変こそ有りましたが、カビは綺麗に清掃出来ました。

ちなみに、以前紹介したSMC TAKUMAR 50mm f1.4
ピントリングがゴム巻きになった一つ新しいタイプのものです。


1本目 シリアルNo.613XXX の画像3枚(3枚とも絞り開放)

1.
イメージ 4
f1.4だけのことはあり、被写界深度は浅く大きくボケています。
中央部を拡大してみると、深度が浅いのが良く分かります。
イメージ 7
深度が浅すぎて、ミツバチの羽にピントを合わせても目のピントを外してしまいました。35mmフルサイズ2430万画素、さらに電子ビューファインダーで拡大しながら精密なピント合わせが出来るので、このようなトリミングでもそこそこ使える画像が切り取れます。覗いた時の見え具合の気持ちよさは光学式ファインダーに及びませんが、MFレンズのピント合わせには電子ビューファインダーが絶大な威力を発揮します。

2.
イメージ 5
左下の花にピントを合わせてみました。
ぐるぐるボケの傾向があります。

3.
イメージ 6
バックをもっとぼかしたかったので、背景が遠く、ピント面が近くなるように撮影。
やはり、ぐるぐるボケの傾向があります。バックに光点があればもっと綺麗なに玉ボケが出そうですね。


2本目 シリアルNo.566XXX の画像5枚(初め4枚絞り開放、5枚目f8)

1.
イメージ 8
バックがごちゃごちゃしているせいか、綺麗なボケではありません。
二線ボケの傾向があるのかもしれません。
こちらの画像も、中央部を拡大してみましょう。
イメージ 9
深度が浅いながら、どうにか意図通りにミツバチにピントを合わせてとらえることが出来ました。

2.
イメージ 10
このレンズもぐるぐるボケの傾向があります。
やっぱり、同じレンズですね。

3.
イメージ 11
写し方によっては、ぐるぐるボケがあまり目立ちません。

4.
イメージ 12
流石はf1.4です。柔らかくボケますね。

5.
イメージ 13
f8まで絞り、遠景撮影するとクセもなくシャープな描写になります。


ホワイトバランスはオートで撮影しましたが、仕上がりにバラつきがあり、
黄色っぽい画像と青っぽい画像が上がって来ました。
元々、黄変したアトムレンズなので黄色っぽいのがナチュラルな発色で、青っぽいのは過度に色補正されたのではないかと思います。

何故、アトムレンズが存在しているのか?
ガラスに放射性物質を練り込むと、写りが良くなると云われていたからです。
他のレンズと比べて、さして写りが良いとも思えませんが、
コントラストが高めでシャープな描写をするように思います。

目に見えない放射線は怖いので、普段はアルミケースに入れて保管しています。

【はじめにご一読ください】

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それでは、以下本文を書き進めてまいります。



Canon Lマウントレンズの試写です

使用レンズは・・・
 
35mm f2 I
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II型との違いがよく分からないためシリアルNo.等からI型と推定しました。
レンズに拭きキズがありますが、クモリのないクリアな個体です。

50mm f1.8 I
イメージ 10
純正フード付き!
イメージ 11
レンズも綺麗です。ピントリングのストッパーは有りません。レンズの着脱時にはストッパーがあった方が良いのですが、撮影時にはいちいち無限遠でストッパーが掛かるとやりづらいので、一長一短です。

50mm f1.8 II
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外装が違うだけでレンズ自体は上のI型と同じだと思います。

100mm f3.5 II
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初めて見たときは細くて小さいので驚きました。
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中玉が白濁しており殆ど真っ白にしか写らないため、
反則技ですが酸化セリウムで磨きました。
磨いてもこんなに白いですが・・


使用カメラはSONY α7 フルサイズ(マウントアダプター使用)、

フイルム撮影分はCanon V L2です。
イメージ 8

撮影地は兵庫県たつの市です


まず、α7による撮影分から同じモチーフで各レンズの撮り比べ

【サザンカ
35mm f2 I
イメージ 1

50mm f1.8 I
イメージ 2

50mm f1.8 II
イメージ 3

100mm f3.5 II
イメージ 4
100mmレンズはソフトフォーカスと異なった、シャープながら霧のかかったような描写で面白いですね。

【和風建築「聚遠亭御涼所」】
35mm f2 I
イメージ 12

50mm f1.8 I
イメージ 13

50mm f1.8 II
イメージ 14
3本ともシャープに写っています。


次は、オールドレンズならではのボケ味

【サザンカの生垣

35mm f2 I(絞り開放)

イメージ 15

50mm f1.8 II(絞り開放)
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2本ともグルグルボケの傾向があります。かつては汚いボケだと言われていましたが、現代のレンズには無い味のある描写だと云われるようになりました。
絞り値こそ違いますが、下のα7のキットレンズの画像と比べてみてください。

SONY FE 28-70mm F3.5-5.6 OSS(70mm f5.6)イメージ 16
うーん、面白味が無いですね。

【マンリョウの実】
100mm f3.5 II(絞り開放)
イメージ 18
打って変わって、100mmはクセの無い綺麗なボケですね。クモリがあるのが残念です。

【紅葉】
50mm f1.8 II(絞り開放)
イメージ 19
レンズの球面が補正されずに、そのまま周囲のボケになっているように思います。
時折、オールドレンズの方が現代レンズよりも立体的に描写しているように感じるのはこの所為でしょうか。

50mm f1.8 II
(絞り開放)
イメージ 20
虹のようなフレアとグルグルボケ。オールドレンズならではですね。
光の玉ボケが球面上にあるように見え、まるで曜変天目茶碗を真上から見たようです。

SONY FE 28-70mm F3.5-5.6 OSS(70mm f5.6)
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うーん、益々現代レンズが面白くなくなりました・・・


では、その他作例をご覧ください

50mm f1.8 I(1枚)
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50mm f1.8 II(3枚)
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35mm f2 I(2枚)
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ここから、フイルム撮影篇です。
レンズのピントが来るかのテストとカメラの動作テストです。

35mm f2 I(2枚
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2枚目はストロボ発光しています。

50mm f1.8 I(1枚)
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50mm f1.8 II(1枚
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100mm f3.5 II(1枚)
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何故か、フイルムの方がクモリが目立ちませんね。

数枚、光線漏れのような写り込みがありましたが、ピントやストロボ発光、その他動作には問題ありませんでした。光線漏れの原因がモルトなのかシャッターなのかはよく分かりませんでした。

クリスマスシーズンの風物詩イルミネーション『あぼナリエ』で「バブルぼけ」に挑戦してみた

これが『あぼナリエ』全景。小さな町のささやかなイルミネーションである。
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一部のオールドレンズを前ピンで撮影すると出るという「バブルぼけ」。

Meyer-Optik Görlitz Trioplan 100mm f2.8というレンズの作例
で見た「バブルぼけ」は単純に丸いだけでなく、

レフレックスレンズで写したようなリング状の淵があり、シャボン玉のように見える。

そう、イルミネーションを光のシャボン玉として捉えようというのだ。

早速、適当なオールドレンズ7本にSONY α7と各種マウントアダプターを持って撮影に出掛けた。
全て35mmフルサイズで撮影。

果たして、チョイスしたレンズの中にシャボン玉のように綺麗な「バブルぼけ」が出るものはあるのか?


1.SOLIGOR TELE-AUTO 1:3.5 f=200mm

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ミランダカメラ製のマウント交換式レンズ。他のカメラメーカ製に比べて半段ほど明るい廉価レンズを提供していたようだ。
SOLIGORはもう一本、1:2.8 f=28mmというのを所有している。
交換マウントはミノルタを付けているが、ほかにペトリ、ニコン、M42も持っている。

長玉なので、まずは遠くから普通に撮影。

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そのままフレーミングを下げると、川面に映った灯りが絵画的で綺麗だ。
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いよいよ、ピントを前ピンにして「バブルぼけ」に挑戦。
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作例で見たような「バブルぼけ」にはならなかった。


2.XR RIKENON 1:2.8 135mm

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Kマウントレンズ。
レンズ銘のリケノンはリコーの前社名「理研光学工業」に由来している。
昔はほとんどのレンズに○○コールとか○○ノンとか○○ナーという銘を冠していたが、
国産ではニッコール、フジノン
くらいしか聞かなくなった。

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思うようなシャボン玉状の「バブルぼけ」にはならなかったが、和製ズミクロンと云われる50mm 1:2というレンズを輩出したRICOHだけに、流石に綺麗な描写だ。


3.Takumar 1:3.5/135

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M42マウントでプリセット絞りの古いレンズ。
自動絞りが実用化されていない最初期の一眼レフ用レンズだ。
プリセット絞りというと一眼レフの利点である自動絞りには対応しないが、
同等の一眼レフ用レンズでは最小クラス、ほぼ円形の絞りという利点もある。


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これも綺麗に描写だが、リングの淵は弱いので次のレンズを試してみよう。


4.CANON LENS 100mm 1:3.5(Ⅲ型)

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Canon製Lマウントレンズの最終型。
先ほどのTakumar 135mmとあまり変わらない大きさだ。
プリセット絞りのTakumar 135mmがいかに小さいかが分かる。

残念ながら思うようなリング状の淵付きシャボン玉は出なかったが、絞り込んでみると綺麗な10角形の絞り型ぼけが出た。


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※撮影方法による描写の違い
【通常撮影】

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【前ピン 絞り 開放】
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【前ピン 絞り 約f5.6】
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5. CANON LENS FD 50mm 1:1.4 S.S.C

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Canon製一眼レフ用、初期のマルチコートレンズ。
明るいのが吉と出るか凶と出るか?


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ぼけ過ぎてダメだが・・

ピントを調整していくと・・

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淵が出た。 しかし、明るいレンズの絞り開放は収差が大きく、シャボン玉の形が崩れてしまう。

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真円にならないが綺麗だと思う。
Canonのレンズは伝説的な描写力の評価はあまり聞かれないが
実力は国産随一である。

※ピント位置による描写の違い
【通常撮影(合焦)】

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明るいレンズなので周辺の収差が大きく、光が流れてしまっている。

【前ピン】

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玉状にぼける。

【後ピン(∞)】
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にじんだようにぼける。


6.Sonnar 1:2 f=50mm T

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カール・ツァイス製のCマウントレンズ。言わずと知れた名玉。

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周辺は収差の影響で形が崩れているが、綺麗なシャボン玉が出現!

そして、f4くらいに絞ると11角形の絞り型ぼけが出る。金平糖のようで綺麗だ。
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7.NIKKOR-H 1:2 f=5cm

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最後にニッコールSマウント黒塗装なので後期型か?

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周辺に収差が出るが、理想的な淵付きシャボン玉になった。

 
【結果】 NIKKOR-H 1:2 f=5cm に一番綺麗な「バブルぼけ」が出た。

OLYMPUS 35 DC(オリンパス 35 DC)【昭和46(1971)年 発売】
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昭和46(1971)年 発売のオリンパス 35 DCは小型高級カメラということで「デラックス(D)なコンパクト(C)」と命名されました。被写体の明暗にかかわらずどんなシーンにも対応するプログラム自動露出システム、BLCボタンによる逆光補正機能を搭載。更にストロボ使用時にもプログラムオート撮影が出来る自動フラッシュマチック機構搭載。「使いやすくて、間違いなくよく写るカメラ」として人気を集めました。

※このカメラは昭和49(1974)年にマイナーチェンジされています。写真はマイナーチェンジ後の後期型個体です。

先に紹介したOLYMPUS TRIP 35と同時に骨董市で入手しました。数十年間は使われていなかった様子で、外装がかなり汚れていました。このカメラも銀梨地仕上げ部分メラミンスポンジで拭きました。

レンズは外部の汚れだけ拭き取れば、ホコリの混入程度でした。更に、露出・シャッター・絞り制御は生きていましたので、メンテナンスはトップカバー分解・ファインダー内部洗浄のみでレンズ周りはいじらずに済ませることにしました。

レンジファインダーカメラなので、ファインダーが綺麗になればピント合わせもし易くなり、撮影に対するモチベーションも上がります。

モルト量が多いので苦労しましたが、劣化したモルトを交換して今回のメンテナンスは終了。

今回は絞りの不具合は見つからず、再
メンテナンスは無しで終了です。
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ファインダー左のB.Cボタンはバッテリーチェック兼シャッターロック解除ボタンです。BLCボタンを押さえながらシャッターを切ると+1.5段の逆光補正撮影ができます。

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ストロボ撮影時は使用機器のガイドナンバーをセットしてホットシューに取り付ければ、撮影距離に応じて自動で絞りが制御されます。ただし、フル発光のみの対応になるので、ストロボ側の外光式オート発光は使用できません。ホットシューにストロボを付けてピンが押されると自動フラッシュマチック機構がONになりますので、ホットシューに水準器をセットしたりORYMPUS純正のシューカバー以外を付けることは出来ません。

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イメージ 5
コストダウンのためパトローネ押さえまでもがモルトになっています。


試写画像。フイルムは感度100のカラーネガです
【∞ プログラムEE
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綺麗なパンフォーカスで撮影できました。

【1.7m 
プログラムEE
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距離計連動なので、近接撮影でもピントを外す心配がなく撮影しやすい。

【0.85m 自動フラッシュマチック(GN20)】
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GN20で最短距離(0.85m)撮影すると、自動制御で絞りが16。0.85mの部分が適正露出となります。バックが真っ暗ですね。

【撮影した感想】
日中晴天EE撮影であれば、ほぼパンフォーカスで良好な写真が撮影できます。レンズの性能も大変良く、鮮鋭な画像が仕上がりました。
露出も、ネガで撮影する分には十分な性能だと思います。+1.5段の
逆光補正だけでは足りないのならASA感度設定を利用すれば露出補正も可能です。感度100フイルム使用時に感度設定を200にすれば-1段という具合ですね。
自動フラッシュマチック機構が採用されたため、絞り・シャッター共にマニュアル制御が不可能になり、撮影の幅が狭くなったと思います。
自動フラッシュマチック機構はフル発光のみの対応なので、ストロボ側の外光オートによる撮影も不可能で、光量制御の幅も狭くて使いづらいと思います。
先進的な機構を採用したがゆえに撮影の幅が狭くなったカメラであるといえます。
大変よく写る良いレンズなのに勿体ないですね。

【仕様】
カメラ名:OLYMPUS 35 DC(オリンパス 35 DC)
レンズ:F.ZUIKO F1.7 f=40mm(4群6枚)
シャッター:SEIKO プログラムシャッター
シャッタースピード:1/15-1/500
絞り:F1.7-F16
セルフタイマー:あり
ファインダー:採光式ブライトフレーム(逆ガリレオ式、倍率0.6倍)
フィルム巻き上げ:レバー式(セルフコッキング、自動巻止め、二重露光防止・二重巻上げ機能付き、分割巻上げ可)
フィルムカウンター:順算・自動復元式
フィルム巻戻し:クランク式、巻戻しボタンセット式
露出制御:プログラムEE
露出計:CdS
電源:MR9(H-D)水銀電池1.35V
測光範囲:EV5.5-EV17(ASA100)
フィルム感度設定:ASA25-800
フォーカス:ヘリコイド直進式・距離計連動マニュアル制御
その他:逆光補正(+1.5EV)機能、自動フラッシュマチック装備
サイズ:114×71×57mm
重量:490g
価格:26,800円(後期型は33,800円)

RICOH AUTO SHOT(リコー オートショット)【昭和39(1964)4月 発売】
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 ハーフ版カメラの興隆などによるカメラの小型軽量化の要求に対応し、在来構造にこだわらずに設計したもの。 リコーオートハーフの設計をベースに画面サイズをフルサイズ化しています。当時は広角の範疇に入る35mmレンズを採用し、突出を少なくしています。 小型化のため、ファインダーにはケプラー型と呼ばれる、当時としては珍しい複雑な実像光学系を採用していました。ブライトフレームは無く、撮影範囲がハッキリと区切られて見えるのが特徴です。
トリップ35と同じくハーフ版カメラを元にフルサイズ化したモデルですが、よく似た性能ながら、各メーカーの特徴がよく現れていると思います。

このカメラは入手時の状態が悪く、前の持ち主が練習用にバラしたのではないかと思われるネジ山の乱れもあったため故障品として放置していましたが、今回、私も練習のつもりでバラしてメンテナンスを試ることにしました。

まず、錆の出ているシャッター羽根、絞り羽根を清掃してみようと、壊してもいいつもりでカンを頼りにネジを外していきましたが、残念ながら羽根にたどり着けず・・
ネットで分解過程を紹介している記事を見付けてやり直しました。横着をすると、かえって遠回りになります。

無事バラすことが出来て、シャッター羽根、絞り羽根、レンズの各面を洗浄。
絞り羽根の錆は完全には取れなかったので快調とまでは行きませんが、セレン露出計に応じて絞りが動作しているようで、どうにか撮影できそうです。

しかし、リコーのゼンマイ巻上げ機のメンテナンスには最後の難関が待ち受けています。そう、裏蓋に大量に貼り付けられたモルトを除去して貼りかえるという作業です。たとえカメラ自体のメンテナンスが不要でも、モルトに泣かされるというわけですね。

メンテナンス前の写真はありませんが、どうにか使える状態になりました。
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フィルターはRICOH純正です。ケプラー型のファインダーは小さいので、一見して何処にあるのか見つけづらいですね。

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巻上げ・巻戻しが下部にあるので、すっきりしたデザインに見えます。

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モルトは5分割して貼りました。繋ぎ目に隙間ができないよう注意して寸法を決めます。

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ゾーンフォーカスマークと距離の一覧表です。マークの絵がシュールで良い雰囲気を醸し出しています。


試写画像。フイルムは感度100のカラーネガです
【∞ F22 1/30】
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マニュアル絞りF22で撮影。綺麗なパンフォーカスで撮影できました。

【∞ オート 1/125
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オート撮影でもかなり絞られているようで、ほぼパンフォーカス撮影できました。

【撮影した感想】
オートショットの方が発売が古くゼンマイによる自動巻上げも付いていますが、トリップ35とほぼ同じ使い勝手のカメラだと思いました。しかしオートショットの35mmレンズは程よい画角で使いやすいですね。
日中晴天オート撮影であれば、ほぼパンフォーカスで良好な写真が撮影できます。レンズの性能も良く、鮮鋭な画像が仕上がりました。
露出も、ネガで撮影する分には十分な性能だと思います。ASA感度設定を利用すれば露出補正も可能です。感度100フイルム使用時に
感度設定を50にすれば+1段ですね。
オート解除時のシャッタースピードが1/30と把握していれば、試写1枚目のように撮影の幅が広がります。
ここまでトリップ35とほぼ同じ感想ですが、一つ気になったことがありました。
オートショットには折角 B(バルブ)シャッターがあるのに、ケーブルレリーズ用のネジ穴を切っていないのは重大な欠陥だと思いました。

【仕様】
カメラ名:RICOH AUTO SHOT(リコー オートショット)
フィルムシステム:35mmパトローネ入りフィルム(135)
画面サイズ:24×36mm
レンズ:リケノン 35mm F2.8 3群4枚構成(リコー製)
フォーカス:距離計連動 前玉回転フォーカス(リコーのHPのママ。正しくは距離計連動ではなく目測(ゾーンフォーカス式
シャッター:リコー製 B ・ 1/30(オート解除時) 1/125(オート時)
露出制御:セレンメーター針押さえ式AE
特徴:スプリングモーターによる巻き上げ・自動復帰フィルムカウンター・ フラッシュダイレクトコンタクトアクセサリーシュー・実像式ファインダー・露出不足警告ファインダー内表示
大きさ:巾 113 高さ 73.5 奥行き 56.5
質量:440g
価格:14,600円 ケース1,200円

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